これからのカジノを展望する

新型コロナウィルスがカジノに及ぼす影響は？

新型コロナウィルスはさまざまな事業に悪影響をもたらしています。
経営難に追い込まれて倒産していしまう企業や、集客を見込めなくなり廃業する店舗が続出している状況です。
たとえば、ホテル業界や飲食業界についてはニュースでよく報道されているので、苦境に立たされいる店舗が多いことは誰でも知っているでしょう。
一方、ひどいダメージを受けているのにあまり知られていない業界も存在します。
その代表ともいえるのはカジノであり、特に日本に関しては存亡をかけるような状態にまで追い込まれています。

日本のカジノ施設は大きな経済効果を期待している

もちろん、日本にはまだ施設自体は存在していません。
しかし、カジノ法案によって制度化の道が示されたことで、政府はこれまで国内に施設を設ける取り組みを積極的に行ってきました。
前政権では成長戦略の目玉として掲げており、単純にギャンブルによる収益を期待するだけでなく、観光客の増加も視野に入れていたのです。
大きな経済効果を期待しており、順調に進めば莫大な税収が得られるはずでした。
ところが、新型コロナウィルスの流行によって暗雲が立ち込める状況になっています。
実は暗雲どころでは済まず、すでに息の根を止められたと報じているメディアもあるぐらいです。
以前の政府は強引ともいえるほどの強気で押し進めてきましたが、現在は流石にそのスタンスを続けるわけにはいきません。
ホテルや旅館が次々と廃業しているなか、新しく建てようとする動きがストップするのは当然です。

海外の企業が撤退の動きを見せ始めた

特に大きな痛手となったのは、海外の企業が撤退の動きを見せ始めたことです。
日本にはカジノのノウハウを持っている事業者はほとんどいないでしょう。
海外の施設の運営に協力していたケースはあっても、自分たちが主体となって経営していたケースはないと考えられます。
そのため、国内で本格的に展開していくには、日本の企業だけでは力不足であるのが実情です。
その課題をクリアするために、積極的に海外の企業を誘致していました。
そして政府の狙いどおり、海外の大手企業が名乗りをあげてくれたので、これからも問題なく進んでいくと見られていたのです。
そのなかにはアメリカのラスベガスでも運営している企業も含まれており、すべてを任せても良いぐらい信頼性があります。
しかし、新型コロナウィルスの影響を考慮して、早々に撤退を表明するに至ってしまいました。

海外の企業ですら苦境に立たされているという現実

その背景にあるのは、海外の企業ですら苦境に立たされているという現実です。
たいていは集客力が一気に落ちていますし、政府の指示により営業時間を短縮しているケースもあります。
そのため、日本にまで進出している余裕がなくなったというわけです。
本来、日本に施設をつくれば大きな収益を見込めるはずでした。
しかし、この状況では赤字になってしまうリスクのほうが圧倒的に大きいです。
どこも手堅く売上を伸ばす方向にシフトしており、そのなかに日本への展開は含まれていません。
主軸となっているのはオンラインによるサービスの提供です。
以前からオンラインのカジノは存在していましたが、施設型の企業とは別の企業が運営しているケースが大半でした。
施設に通えないところに住んでいる人などが利用するといった具合に、これまではうまく住み分けができていたと考えられます。

オンライン型のカジノの競争が激化している状態

しかし、実店舗運型の売上が大きく下がってしまい、そちらもオンライン方式に参入するところが増えてきました。
つまり、これまでにないぐらいオンライン型のカジノの競争が激化している状態です。
実店舗型の企業が参入した場合の強みは、何といっても圧倒的なブランド力を持っていることです。
すでに多くの信頼を得ている状態なので、これまでオンラインで遊ぶことを控えていた人も、安心してプレイを始められます。
実店舗の運営も続けているなら、そちらと連携したサービスを提供できることも強みです。
チップをオンラインと実店舗で共有することで、以前より多くの顧客を取り込むことすら可能になるでしょう。
欠点として挙げられるのは、オンライン型の運営に関する実績やノウハウが少ないことです。
そのため、セキュリティなどの面に関して不安を感じている人がいることも事実です。

リスク分散の観点で両方でプレイすることも賢い手段

興味はあっても当面は様子見をするスタンスの人も少なくありません。
その点に関しては、従来のオンライン型のカジノのほうに分があります。
すでに強固なセキュリティを構築していますし、インターフェースの改良を重ねているので遊びやすさも抜群です。
店舗型の場合、オンライン方式に参入した直後はいろいろトラブルが起こる可能性もあります。
そのような心配をせずに、安定して楽しみやすいことは大きなメリットとなるでしょう。
ただし、どちらか一方に絞る必要はないため、リスク分散の観点で両方でプレイすることも賢い手段といえます。
いずれにせよ、新型コロナウィルスの脅威はこの業界にまで及んでおり、従来の形から大きく変わる節目の時期を向かえているというわけです。